東経大ワンゲル監督のブログ

東京経済大学ワンダーフォーゲル部、木俣監督のブログです。

平成27年4月1日  ワンゲルスタート

  平成27年度のワンダーフォーゲル部の幕開けです。今年は創部60周年という記念の年になります。ひとえに60年といっても各世代の思いの募った歴史そのものです。我らの部を例えるならばバネです。あの螺旋状のぐるぐると回って何周も続く終わりなく伸びていくバネ秤のイメージではないでしょうか。1周しても同じ地点にはなく上にずれます。(バネを縦向きにします。)繰り返しているようで変化(進歩)していきます。環境、メンバー、活動もそれぞれです。何が正解かはわかりませんが、その解は卒部してわかります。環境、メンバー、活動の中で意識的に変えられるのは活動です。自然は限りなく偉大で一生の相手にするには過不足ありません。ただ人の営み(文化)も自然は取り込んでくれます。古くて新しいテーマを模索してがんばってください。永遠に続くバネを目指して。

平成26年12月28日~30日 仙丈ケ岳・甲斐駒ケ岳 冬山登山

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   28日:入山口の戸台は山梨から南アルプスを裏手に回るので少し遠い。10時にスタートとできれば御の字というドライブであった。戸台橋周辺は道も氷つき、戸台河原の駐車場まで行く勇気がなく丹渓荘前空地に置くこととする。ここから河原の道をあるくことになるが、渡渉箇所を間違えたせいか堰堤の乗越に苦労する。丹渓山荘跡から本格的な登りとなった。アイゼンも装着し安全登行し、14時過ぎには2日間の宿となる北沢峠こもれび荘に到着した。2日間ともこった夕食が出てきてとても山小屋とは思えない。特に2日目の鹿肉シチューは美味であった。

 29日:本日の工程は仙丈ケ岳ピストンとする。ヘッドランプの明かりのもと出発。前夜からの積雪で昨日までの踏み跡もほぼ消滅していた。二人でラッセルを強行してがんばる。8合目からは視界もなく厳しいが我慢に我慢を重ねて仙丈ケ岳頂上に立てた。休む間もなく写真を撮りすぐ下山の途につく。途中青空も見え出すがほぼガスの中で帰りのトレースを慎重に探しながら下りていく。小仙丈ケ岳からは間違いやすい尾根に気をつけながら進めていく。下山後の満足感から乾杯の一杯がおいしかった。

 30日:前夜からの「ヤマ天」仙丈ケ岳周辺天気予報は基本冬型になり、晴れ基調であるが山はガスとの予報であった。案の定、朝からガスの中で何も見えない。東駒ヶ岳甲斐駒ケ岳)を目指すが帰りのこともあるので行けるところまでという限定。おそらく途中の駒津峰までと目標にする。仙水峠までは樹林帯のため順調に歩を進めるが、峠に立った途端そこから先は暴風雪の世界であった。駒津峰直前では耐風姿勢をとらないと危ない。顔面の頬が刺すように痛い。このまま長くさらせば凍傷間違いないという体感温度で、マイナス30℃はありそう。さっさと頂上を後にして退散といった面持ちであった。それでもこれを体験しただけでも大きな収穫であろう。帰りは長い河原歩きが圧雪のコンクリートのように固くなりツボ足だとつるつる滑る。無事下山し、高遠のさくらの湯に身を沈め3日間の疲れを癒した。この後におまけ話しがある。大月ICから上野原IC間の事故通行止めのため4時間近く無駄にして東京には零時を回ってようやく、ああ疲れたなあ。

平成26年12月23日   丹沢塔ノ岳登山

   冬靴を新調して雪山登山に行くべき足慣らし山行を計画した。身近な丹沢に参加してもらったのがH君。日帰りで遅くならないというところでヤビツ峠からの表尾根からの塔ノ岳頂上を目指し、大蔵尾根を下山するという定番になった。小田急線秦野駅からのバスは2台が運行となり昨今の登山ブームを象徴するかの賑やかさであった。小生たち少しひねくれていて終点前の蓑毛で下車し静かな山行がスタートした。あっという間にヤビツ峠に着き、しばらく車道を歩き富士見橋からは本格的な登山道となった。これから先最後まで本当に閉口したのが足場である。ほぼ全てぬかるみの泥道であった。冬山デビューの前に泥の洗礼を受けた山靴がかわいそうだ。おそらく登山ブームを支えるメッカがここ丹沢なのだと思う。これだけ人が入ればオーバーユースなのだろう。植物が生えるまもなく踏み固められればそこは土が丸だしになりおまけに今、冬の霜柱が溶け出せばぐちゃぐちゃになるのも必然。諦めて泥遊びを楽しむことにする。それでも景色は最高で相模湾がキラキラ輝き、富士は気高くそびえたつ。塔ノ岳は多くの人が集まり皆が昼食タイムであった。さすがに寒くラーメンがおいしい。さらっと下り渋沢駅前で乾杯。帰りは電車でゆっくり帰還となった。

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平成26年10月19日 千葉アクアラインマラソン完走記

日曜日に海の上を走ってきました。正確には道路の上ですけど。千葉アクアラインを木更津〜海ほたる間往復を含む42.195kmのフルマラソンです。1万人を超える参加者でした。朝からドピーカンのお天気で気温は22,23度と走るにはちと暑すぎに感じました。10時のスタートの号砲が鳴り、そこから20分してようやくスタートラインを通り過ぎた。沿道には和太鼓やフラダンスなどお祭りさながらでランナーもギャラリーもとにかく楽しんでいる。5キロ過ぎから徐々に登り坂に変わり高速道路を登りつめた先の視界には海が見え、気分は最高。ランナー達も記念写真を撮りながらハイテンション気味。しかし、日差しは強く体力の消耗は知らず知らずのうちに進んでいたようだ。海から戻ると袖ケ浦市の郊外を走るがどこにも応援ギャラリーがいて勇気づけられる。特に保育園、小中高生の生徒とはハイタッチをしながら力を吸収していた。給水所にも大いに助けられ、何となく脚を止めることが許される場所なのだ。スポーツドリンクの他にもバナナやアメなどがあり、孤独のランナーの唯一のオアシスになっている。ここを出発すると次の給水所まで頑張ろうという気になる。長い船旅の寄港地みたいなものだ。やはり30キロを過ぎると立ち止まるランナーが続出する。それぞれが脚を揉みながらも騙し騙し歩き続ける。脚を止めると二度と走れないんじゃないかと強迫観念がある。35キロでは最後の登り坂が待っている。そろそろ自身の脚も限界に近づき、とにかくゴールにたどり着き脚を止めたい。その気持ちだけが推進力となっている。もう目標タイムなど頭にない。ゴールが目標に変わりつつあった。自身との戦いが最後に待っていた。ゴールをすると、さも何もなかったように思考回路は戻った。しかし、体全体にはとてつもない疲れと自信が残った。

前回レースでは他のランナーの背中(メッセージ)に励まされたが今回は記憶に残っていない。ただ沿道でのメッセージが今でも記憶にある。「疲れは気のせいだ。痛みは思い過ごしだ。」夢のような気持ちになりたがったが、身体は正直に電池が切れたようにギクシャクし、立っているだけでつらい。こんなにつらくてもまた走りたくなってしまうのが市民ランナーのさがのようです。

平成26年9月8日・9日 白馬三山登山

9月8日

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思ったより白馬は遠い。高速を使っても5時間かかった。好天の予報がされているので心の余裕がある。白馬駅のメインストリートからは白馬三山がバッチリ見えている。登山口の猿倉には既に人出がない。10時となればもうほとんどが山中の人となっている。今回は1泊2日の行程になったことから、通常の反対周りの白馬鑓温泉〜白馬鑓〜杓子〜白馬岳〜大雪渓〜猿倉ルートをとった。途中の杓子沢、崩沢をトラバースするあたりは足場が不安定であったが登りのため慎重に行動することで難は逃れた。3時間程で今夜のサイト場の鑓温泉小屋についた。斜面を切り開いたテント場は広くなく、個人テント用のスペースがいくつかある程だった。大人数のキャンプは厳しいと感じた。温泉は露天が混浴ですが当然男ばかりです。小屋からは葦簾の目隠しがあり、キャンプサイトは眼下にあるので見えないという作りで開放的です。夜はやることもないので19時には就寝でした。 9月9日 2日目は5時出発のつもりで4時起床でした。素晴らしい天気に恵まれました。白馬鑓への登りだし早々に朝日が昇ってきました。あっという間に稜線にたどり着くと、周りの景観に疲れもふっとびます。トラバース道もありましたが忠実に稜線をなぞり鑓も杓子もピーク踏破。先に聳えるは白馬岳本峰があり、手前には日本一大きな白馬山荘が構える。頂上は時間がずれたせいか数名しかいない。先ほどまで見えていた槍穂高はガスの中、それでも剣が見え、まったりと至福の瞬間を楽しんだ。下山道は大雪渓を使ったが、おそらく一番雪の少ない時期なのか雪渓歩きも1時間ほどしかなかった。12時半には猿倉に降りてきて、おびなたの湯で汗を流して帰路についた。

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平成26年4月20日 かすみがうらマラソン完走記

  懲りもせず昨年に引き続きマラソンチャレンジしてきました。結果的には完走を果たし昨年の記録を5分縮めたのでOKなのですが、色々とありました。30キロを超える距離を走っていなかったので本番はきつくなることを覚悟していましたが、準備の段階で大失敗。汚い話ですが本番前から便秘気味で腸を整えるために前日に「○―○ック」の小さな粒2つを飲んだ。効果テキメンで朝からお腹が痛くキュルキュル。まずい。あせったせいか財布を持たずに車に乗ってしまった。高速道路入口で気が付き自宅に取って返したが、お腹はやばく、しばらくトイレに入ったまま。さあて仕切り直しで出発。途中のサービスエリアでもトイレ拝借。この時点で出走はあきらめかけた。それでもスタート時間の1時間半前には現地で用意ができた。奇跡かそれからはピタッとお腹の不調がなくなった。去年の雨中とは違い今年は曇りで寒くはなく恵まれた。それでも長袖、長タイツと寒さをシャットアウトして万全を配した。4時間を目指して5キロラップを頭に刻み順調に滑り出したが、25キロからは未知の距離でペースが格段に落ちた。脚が動かない。気持ちも折れそうだ。ふと前や横を行くランナーの後ろ姿に目をやる。Tシャツの後ろにユニークな標語がある。「走考酒」「自分を追い越せ」「自分は今何をやっているんだ。壊れる寸前だ!」「楽走」「信ずるは力なり」ふと、心が緩んだり、気を紛らわせてくれる。そして何と言っても励まされた標語は「驕るな!腐るな!諦めるな!」であった。この女性ランナーを追いかけた。とても励まされたが、速いランナーでどんどん前に行かれてしまった。しかし、この言葉は頭に浮かんでは消える。自分の身体がんばれと頭脳は一生懸命応援している。沿道の応援が少ない所は気持ちが単純になりがちで本当にしょげる。35キロ過ぎ身体は限界に近いが、応援にも熱がこもっているのでその期待に応えようと脳はがんばる。楽団の応援があり思わず涙が出てきてしまった。そう朝のことを思えばよくここまで頑張れたもんだ。ひとりぼっちのゴールであったが大満足。息子もサッカーの大会があり1回戦突破と後から聞き、親子共々今日は良き日であった。
 小学生の子どもに開口一番「父ちゃんマラソンで完走したよ!」「何位?」だって。16000人も走って5500位だからね。チャンチャン。

平成26年4月1日 ワンゲルの目指すところは・・・

 

  前例に囚われない。正確に言うと前例を知らない。これが今のワンゲルの姿である。2年生以下しかいないので2年以上前は何をしていたか、写真や記録でしか分からない。全ては初めてのことでいつもチャレンジできる。偉そうで怖そうな先輩もいない。自分たちの針路は自分たちで切り開け。この時代のみなさんはネットの申し子としていくらでも情報は手に入れられる。机上の勉強はお手の物だろう。準備に抜かりなくできる対策を尽くしてほしい。でもすべては分かりえないけど。

 

 さあ出かけよう。自然の中に!何はともあれ仲間と一緒。スマホを忘れたっていいんだぜ。心に刻もう。感動はいつ訪れるか分からない。一歩を踏み出す勇気はワンゲルの特権です。