東経大ワンゲル監督のブログ

東京経済大学ワンダーフォーゲル部、木俣監督のブログです。

平成30年4月15日 かすみがうらマラソン日記

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昔の記録には及ばずとも、そろそろ4時間を切りたい。このあたりで記録を出さないとズルズルと行く気配である。何よりフルマラソン通算10回目という金字塔なので少しばかり結果を出したい欲はあった。練習の段階でも1キロ5分30秒というのは頭に隅にあった。しかし、今まで痛めたことがなかった膝痛に襲われ、持病の肉離れも怖かった。準備運動を入念にと言われても、はやる気持ちでついつい走り出してしまう。
本番前日はなんと暴風雨の予報。大会本部の前日15時の発表も実施と決定。意を決して当日に臨むことにした。夜半から暴風が吹き荒れたが、スタート時は風も無く、小雨のコンディションとなった。メダリストの有森裕子選手も駆けつけて声援を受けてスタートを切った。「行ってらっしゃい!無事に帰って来るんだよ!」まさにそれぞれが数時間の旅に出る心境だった。(困難は待ち構えているけどね)
15キロまではいいラップを刻む。脚も痛く無いし、エネルギーも充分満たされている。中盤に差し掛かると微妙なアップダウンにピッチが伸びなくなった。腕を振り、腿を上げを意識するも気持ちの中弛みと、まだ半分来てないなといった先への不安が身体に乗り移った。給水のたびに水を取り気持ちを奮い立たせる。ピッチを上げると背中が痛い。以前もあったがスピードを上げると腎臓の部分がキリキリとする。指で押さえると少し柔らぐ。スタミナ切れを起こした時も同じくなる。今回用意した高カロリーチューブ1つ目をウエストベルトから取り出し、口にする。粘っこい流動食を水とともに流し込む。効果てきめん気持ちも身体も救われた。第一弾ロケットスタートのように20キロからの5キロは楽に走れた。しかし、この効果も長くは続かず25キロからのラップは沈んだ。また背中が痛い。2つ目のエネルギーを投与だ。これで5キロは大丈夫ということだと35キロからのラストをどうにかしなければならない。沿道の給食と声援が後押ししてくれる。「ナイスラン。ゴールまでもう少し。」勇気を与えてくれる。40キロ付近はまさに気持ちを込めた心の走りでしかない。周りのランナーとは、ともに頑張ろうといった団体戦だ。もう手の甲にマジックで書いていたラップタイムは消え失せている。目標タイムは頭から飛んでいる。ただただ、前に進むのみ。ゴールして倒れこんでもいい。力を残さず使い切ろうという気迫が最後のダッシュでを生んだ。ゴールして自身の時計を見ると念願の4時間を切っていた。最後に完走賞を受け取ると間違いなかった。12秒間に合った。
ずっとランナーの後ろ姿に励まされ続けたが、そこには「驕らず!焦らず!諦めず!」
とあった。