東経大ワンゲル監督のブログ

東京経済大学ワンダーフォーゲル部、木俣監督のブログです。

平成23年8月30日~9月1日 剣岳

平成23年8月30・31日・9月1日 岩の殿堂の剣岳を目指す

【8/30】

2年前の穂高に続き、やはり岩山が恋しい。危険地帯もあることからルート選択、メンバー打合せと慎重に検討し、部員3名と私の4名での出発となった。八王子から中央道豊科IC間を高速でとばし、黒部の玄関先の扇沢には昼前に着いた。ここからはトロリーバス・ケーブルカー・ロープウェイ・トロリーバスと乗り継いでやっと富山県室堂に到着した。夏の最盛期には各乗り物に1時間以上待ち状態になるようで、その時期の登山計画は立てづらい。今回は幸い待ち時間はほとんどなく予定通りいけた。途中の黒部ダムはさすが観光地であった。観光放水もあり、周りの山々も樹々が深い。室堂からは石畳の道を雷鳥沢キャンプ場まで重い荷物をえっちらおっちら。立山連峰に囲まれたキャンプサイトは山の底にいるようだ。

【8/31】

 天気予報は、台風の接近が気になるところである。9/2まで持ちそうもないので今日明日が勝負と決めた。メインの剣岳登山ははずせないので、立山連峰の周回登山は運がよければ明日という変更を行った。

 剣岳を往復するだけでも10時間以上の長丁場であるので、明るくなって早々に雷鳥平を出発して稜線を目指した。別山乗越に上がると剣岳が天を突き刺して鎮座している。一旦剣山荘まで下り、いよいよ剣の稜線にとりつく。今のところ天気も安泰で岩の形状もよく見える。ところどころはホールドやスタンスを慎重につかみ岩登りの感覚である。高度感も増し、慣れない部員達は少し恐怖感もあろう。通称カニのタテバイやはしごをいくつもクリアしていく。頂上に着くとにわかに曇りはるかな軌跡が見えない。さて軽くお腹にエネルギーを補給すると下山にとりつく。往復コースであるが随所の狭い岩溝やガレ場があるので登りと下りでコースが異なるところがある。カニのヨコバイも通過して核心部を通過する頃にわかに霧から雨に変わってきた。前剣を越えると本降りになってしまった。慎重に下り剣山荘からトラバース道で別山乗越を目指す。途中何本かの川には雪渓もあり冬の雪深さを象徴している。かなりずぶ濡れになって剣御前小屋に到着し、軒下で休むが寒くて長居はできない。疲労もたまり雷鳥平には午後5時過ぎに着いた。

【9/1】

 朝、雨は降っていないがガスは立ち込める。立山連峰はまるで見えない。天気の回復も望めないのですぐに下山にとりかかる。往きと同様に乗り物に揺られて扇沢を目指した。帰りは大町温泉で汗を流して剣の思い出に浸った。

 今回のメンバーにとっても剣岳は刺激的だと思う。山に登るためのキャンプと岩場での心構えなど多くを学ぶ機会であったと思う。

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