東経大ワンゲル監督のブログ

東京経済大学ワンダーフォーゲル部、木俣監督のブログです。

平成21年2月某日 車窓を楽しむ

 平成21年2月某日 車窓を楽しむ

 

 某日羽田空港~広島空港へ空の旅を楽しんだ。景色も見えない飛行機で窓側をとるのも列車の旅に馴れているからなのか。狭い窓枠から目を凝らした。今日はすこぶる快晴の中高度1万メートルからも下がよく見える。離陸後、東京を多摩川沿い西進していると府中の東京競馬場は識別できたが、我東経大キャンパスは判断つかず。次第に山がちになると奥多摩であろうか。直に雪をまとった山に変わり、上からの山容でも山がわかる。八ヶ岳、南アルプス仙丈ケ岳、中央アルプス空木岳、北アルプス穂高岳乗鞍岳、御岳、しばらく行くと日本海側の白山が大きく見える。あっという間に雪がなくなり、山から平野にがらっと変わった。日本列島が小さく感じる。1時間半のフライトが鉄道旅にひけをとらない楽しみになった。残念ながら進行方向右側に位置したため富士山だけが望めなかったのが心残りの一つとなった。

 広島~東京への帰路は、念願のブルートレインに乗車した。3月13日に廃止が決まった寝台特急はやぶさ・富士」である。1ヶ月前の予約にもかかわらずB寝台しか取れなかった。無くなる物への郷愁なのか。決して豪華ではなく、夜汽車の雰囲気を味わう間もなく寝台に横たわった。豊橋付近で懐かしきオルゴールとともに車掌さんの到着駅アナウンスで朝が始まった。洗面台に行くと、固定できない蛇口といい、飲料水の折りたたみ紙コップがあり、往年の特急列車を思い出した。遠州灘沿いを走ると山並みの上にぽっかり富士山が浮かんで見える。見え隠れしながらだんだん近づき富士川鉄橋では真正面に大きく鎮座した。これで往きの心残りが解消した。この車両は進行方向左側にだけ通路があり、その窓下にある折りたたみの簡易椅子を広げて車窓を楽しんだ。神奈川県に入ると郊外駅を次々に通過して終着は近づいていく。昔からブルートレインは憧れの列車であり、乗っている自分も優越感に浸り、通過する駅のホームに立つ通勤客の眼差しが羨望に思えた。  東京駅に到着するとホームにはマニアがこぞって写真撮影している。そんな中、旅を終えてつかの間の余韻を味わうことなく職場に向かう私であった。