東経大ワンゲル監督のブログ

東京経済大学ワンダーフォーゲル部、木俣監督のブログです。

平成26年9月8日・9日 白馬三山登山

9月8日

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思ったより白馬は遠い。高速を使っても5時間かかった。好天の予報がされているので心の余裕がある。白馬駅のメインストリートからは白馬三山がバッチリ見えている。登山口の猿倉には既に人出がない。10時となればもうほとんどが山中の人となっている。今回は1泊2日の行程になったことから、通常の反対周りの白馬鑓温泉〜白馬鑓〜杓子〜白馬岳〜大雪渓〜猿倉ルートをとった。途中の杓子沢、崩沢をトラバースするあたりは足場が不安定であったが登りのため慎重に行動することで難は逃れた。3時間程で今夜のサイト場の鑓温泉小屋についた。斜面を切り開いたテント場は広くなく、個人テント用のスペースがいくつかある程だった。大人数のキャンプは厳しいと感じた。温泉は露天が混浴ですが当然男ばかりです。小屋からは葦簾の目隠しがあり、キャンプサイトは眼下にあるので見えないという作りで開放的です。夜はやることもないので19時には就寝でした。 9月9日 2日目は5時出発のつもりで4時起床でした。素晴らしい天気に恵まれました。白馬鑓への登りだし早々に朝日が昇ってきました。あっという間に稜線にたどり着くと、周りの景観に疲れもふっとびます。トラバース道もありましたが忠実に稜線をなぞり鑓も杓子もピーク踏破。先に聳えるは白馬岳本峰があり、手前には日本一大きな白馬山荘が構える。頂上は時間がずれたせいか数名しかいない。先ほどまで見えていた槍穂高はガスの中、それでも剣が見え、まったりと至福の瞬間を楽しんだ。下山道は大雪渓を使ったが、おそらく一番雪の少ない時期なのか雪渓歩きも1時間ほどしかなかった。12時半には猿倉に降りてきて、おびなたの湯で汗を流して帰路についた。

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平成26年4月20日 かすみがうらマラソン完走記

  懲りもせず昨年に引き続きマラソンチャレンジしてきました。結果的には完走を果たし昨年の記録を5分縮めたのでOKなのですが、色々とありました。30キロを超える距離を走っていなかったので本番はきつくなることを覚悟していましたが、準備の段階で大失敗。汚い話ですが本番前から便秘気味で腸を整えるために前日に「○―○ック」の小さな粒2つを飲んだ。効果テキメンで朝からお腹が痛くキュルキュル。まずい。あせったせいか財布を持たずに車に乗ってしまった。高速道路入口で気が付き自宅に取って返したが、お腹はやばく、しばらくトイレに入ったまま。さあて仕切り直しで出発。途中のサービスエリアでもトイレ拝借。この時点で出走はあきらめかけた。それでもスタート時間の1時間半前には現地で用意ができた。奇跡かそれからはピタッとお腹の不調がなくなった。去年の雨中とは違い今年は曇りで寒くはなく恵まれた。それでも長袖、長タイツと寒さをシャットアウトして万全を配した。4時間を目指して5キロラップを頭に刻み順調に滑り出したが、25キロからは未知の距離でペースが格段に落ちた。脚が動かない。気持ちも折れそうだ。ふと前や横を行くランナーの後ろ姿に目をやる。Tシャツの後ろにユニークな標語がある。「走考酒」「自分を追い越せ」「自分は今何をやっているんだ。壊れる寸前だ!」「楽走」「信ずるは力なり」ふと、心が緩んだり、気を紛らわせてくれる。そして何と言っても励まされた標語は「驕るな!腐るな!諦めるな!」であった。この女性ランナーを追いかけた。とても励まされたが、速いランナーでどんどん前に行かれてしまった。しかし、この言葉は頭に浮かんでは消える。自分の身体がんばれと頭脳は一生懸命応援している。沿道の応援が少ない所は気持ちが単純になりがちで本当にしょげる。35キロ過ぎ身体は限界に近いが、応援にも熱がこもっているのでその期待に応えようと脳はがんばる。楽団の応援があり思わず涙が出てきてしまった。そう朝のことを思えばよくここまで頑張れたもんだ。ひとりぼっちのゴールであったが大満足。息子もサッカーの大会があり1回戦突破と後から聞き、親子共々今日は良き日であった。
 小学生の子どもに開口一番「父ちゃんマラソンで完走したよ!」「何位?」だって。16000人も走って5500位だからね。チャンチャン。

平成26年4月1日 ワンゲルの目指すところは・・・

 

  前例に囚われない。正確に言うと前例を知らない。これが今のワンゲルの姿である。2年生以下しかいないので2年以上前は何をしていたか、写真や記録でしか分からない。全ては初めてのことでいつもチャレンジできる。偉そうで怖そうな先輩もいない。自分たちの針路は自分たちで切り開け。この時代のみなさんはネットの申し子としていくらでも情報は手に入れられる。机上の勉強はお手の物だろう。準備に抜かりなくできる対策を尽くしてほしい。でもすべては分かりえないけど。

 

 さあ出かけよう。自然の中に!何はともあれ仲間と一緒。スマホを忘れたっていいんだぜ。心に刻もう。感動はいつ訪れるか分からない。一歩を踏み出す勇気はワンゲルの特権です。




平成26年3月22日・23日 谷川岳雪山登山

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【3/22】

この時期は数度となく谷川岳周辺に出かけていたが、年によって条件が異なってきた。ある時は芝倉沢スキー滑降のためあらかたの雪は雪崩落ちて、積雪は安定してまさに残雪期といった装いであった。今年は違う。とても寒く雪の多い年であった。特に関東周辺で30センチを超える大雪。山梨では100センチを超えて交通機関が完全マヒするそんな年でここ谷川周辺もまだまだ雪がたっぷりある。天神平スキー場で400センチ超え、つい最近も積雪があったせいか、下りの田尻沢滑降コースも調整中の中ロープウェイにて出発した。天神平スキー場脇を天神峠に向けて登るが多くの人がトレースしているためラッセルはないがトレースをはずすともう腰までいく雪である。熊穴沢源頭までは青空も見え隠れするくらいの天気であったが、頂上避難小屋手前では風も強く何も見えない。小屋につくも中は休憩する人で一杯。しょうがなく外で風の当たらぬところで一時避難。天気の回復は見込めないのであきらめ谷川岳頂上を目指す。完全にホワイトアウト状態で方向を見定めて数分でトマノ耳に到着。とてもオキノ耳まで行けそうもない。すぐに記念写真を撮って下る。時々ガスの晴れる間で行先を確認しながら慎重に下山していく。スキー場から下へはスキーの調子がすぐれない相棒のH氏をロープウェイに残し、小生は田尻沢滑降コースにてスキー下山した。

【3/23】

 今日は谷川岳岩壁を巡る旧道から湯檜曽川新道をラウンドしてくるコースを歩くこととした。登る下るといった斜度はないがこの大雪状態である。すでに谷川岳登山指導センターの出発点から道がない。この旧道は無雪期は舗装された林道であるが、今は完全に山の一部である。山の道というのは斜面につけられた溝のようなものなので今はそれも埋まり斜面の一部で上部からは雪崩の恐れが大いにある。その意味では気を遣いながらアイゼンでキックステップを繰り返し進んでいく。マチガ沢、一ノ倉沢からは谷川岳岩壁がうっすらとシルエットを見せている。幽ノ沢からは完全にトレースもなく相当なアルバイトがありそうなのでここは幽ノ沢を下って湯檜曽川にたどりつくことにした。ここからは河原となるのでほぼ平面を行くがトレースもはっきりせずに膝下のラッセルを交代で頑張る。途中からは雪解けの川も現れ、スキーやスノーシューのトレースも随所に出てきて賑やかになってきた。(足跡が賑やかであって人っこ一人とも逢わない)最後は大きなスキー場立体駐車場を見て小さな尾根をグッと登りゴール。ひと汗流すともう春の気分。

 気象は厳しいが、コースやロープウェイを利用してとても楽しめた雪山となった。

おわり

 

平成26年1月4日・5日 北八ヶ岳雪山ハイク

 

 

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【1/4】

 

部員と行ける冬山はどこか?と考えた結果、冬山初心者でも受け入れてくれる北八エリアをターゲットにして小屋泊まりができる安心感を得てピラタスロープウェイから入山することした。お相手は部員きっての強力マンことH君。朝一に東京を立ち9時一番のロープウェイ始発に乗るためだ。山頂駅はすでに2200m超えなので相当稼がせていただいた。朝早くということなのでスキーヤー半分に山や半分といったところか。その10数人は北横岳に向かった。我々もご多分に漏れずだが途中北横岳ヒュッテでアイゼンを装着するがH君のアイゼンが心許ない。事前に合わせてきても現地で緩んだり、歩き出すと不具合が生じたり。これが冬山では怖いのだ。まあ今回はそれほど神経を使うことはないだろう。ほどなく北横岳ピークを踏み、三ツ岳、雨池山をラウンドする。次に縞枯山、茶臼山の二山越えて麦草峠に到着した。ここは国道の峠道で夏場は観光で栄えるがいまは雪の中でひっそりしている。最低でも2時間以上歩かなければ来られない秘境(大袈裟か?)。そこから森に分け入り今日の宿の菁苔荘に15時前に到着。クロカンスキーを借りて全面結氷した湖上を散歩と洒落込む。

 

この宿は小生が25年前にアルバイトでお世話になった山小屋だ。当時の小屋親父も60歳になり昨年は大病をしたそうだが、今は元気そうでなにより。差し入れにお酒を持ってきたがもう飲めないとのことで女将さんにおすそ分けした。夜は現在の山事情や変わりゆく登山者の話しを聞かせていただき花が咲いた。(多くの面白い話は次回に譲ろう)山の夜は早いので20時過ぎには床についた。

 

【1/5】

 

 朝6時はまだ真っ暗だ。6時半に食事をいただき準備を始め7時半頃の出発予定。外の寒暖計は氷点下10℃を指している。空気は凍り付いているが天気はピーカンだ。一晩の宿にお礼を告げてさあ今日の目標は2645mの天狗岳である。北八と南八の中間点でこの山から南はアルペンムードあふれる岩山だ。アイゼンの調子が心配だが小屋でネジをきつめに締めてきたので大丈夫だろう。稜線に上がると景色が素晴らしい。登りのつらさなど全然きにならない。あっというまに天狗岳の双耳峰に。風もほとんどなく360度の大パノラマをゆっくり楽しむ。遠く北アルプスは御嶽から白馬まで全山。南アルプスも北岳はじめ甲斐駒が大きい。また八ヶ岳最高峰の赤岳も間近に見える。帰路は中山、丸山と稜線を忠実にたどり麦草峠まで戻ってきた。この先ロープウェイ山頂駅までトラバース道を行く。ほとんどが森の中。特に栂の森が広がりたわわな雪を枝上に載せモンスターのように行く手を阻む。雪の下は苔生す大地が広がり無雪期にはこれらの散策が楽しいらしい。このような気候が豊かな自然を生むのだろう。山頂駅からはロープウェイに乗らずに一気に駆け下る。15時に無事下山。ひとっ風呂浴びて、名物そばを食し、雪山遊びは終了した。

 

おわり

 

平成25年9月5日~7日 奥穂高岳夏山登山

 

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初日:関東地方では竜巻が猛威を振るうほど大気が不安定な状態となった。そんな時期  に山に入ったらひとたまりも無いと思いきや、行ってみなければわからない。ダメならテン場で停滞だな。元気な1年生2人引き連れて山に向った。マイカーでの終点である沢渡に駐車するとタクシーに乗り換える。大正池から穂高の山並みが見えるほど天気は安定している。これはもしやと期待が膨らんだ。13時過ぎに河童橋をでて、明神、徳沢と、たんたんと林道を歩きようやく横尾で林道が終わった。14時以降の涸沢への行動は自粛という張り紙はあるものの先に進むよりない。17時過ぎに涸沢テントサイトに着いた。まだ明るいがこれ以上の遅れは厳しいな。平日ということもありテントは少なめ。多少のでこぼこはあるものの場所の取り合いだけは避けられた。するめを肴に少々のお酒をたしなみ早めに床に着く。

 2日目:本日の工程は奥穂高岳ピストンとする。必要最小限の荷物をザックに詰め、パノラマコースに足を向ける。途中地図を確認しないという明らかなミスにより雪渓を渡らずしてコース外を登り過ぎてしまった。やはりコース外だと浮石が多く落石の危険を感じながら、そろりそろりと正規のコースに戻るのに1時間程度ロスしてしまった。その先はザイテングラードである顕著な尾根なので岩稜帯ではあるが気をつけていけばルートをはず すことはなかった。奥穂高直登ルンゼを横目にひたすら登ると穂高岳山荘のコルに到着する。この先50mほどの直上コースが一番の難所らしく鎖に梯子の連続箇所となり30分もすれば奥穂高岳のピークに達した。頂上からは槍ヶ岳が指呼の間である。遠くは薬師、水晶が大きい。眼下には梓川が横たわり上高地は程近く見える。帰路は慎重に下り14時にはテントサイトに戻ってきた。まだ日が高く一杯飲みながら昼寝としゃれ込んだ。

 3日目:下山日にあたる。朝から雲が多い。穂高の山並みに一瞬朝日が差し込んでおり美しい。テントをたたみ涸沢ともおさらばだ。途中下るうちにすっかり穂高はガスの中に隠れてしまった。屏風岩を右手にするとそろそろ横尾に着く。そこからはひたすら林道歩きとなり一般ハイカーも多く見受けられる。上高地河童橋手前で予定通り(?)雨が降り出してきた。ゴール間際でもあり癪なので雨具出さずにやせ我慢でバスターミナルに無事到着した。

 今回の山行は行動日がジャスト晴れ日にあたりとても運が良かった。また、1年生が初めての穂高ということで若干目標値が高かった気がしたが、無事下山できてほっとしている。

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平成25年5月3日・4日  新緑のキャンプ登山

 5月3日 今回はワンゲル新入部員のH君、I君と一緒に行くこととなった。話を聞いてみると二人とも高校時代に山岳部ということもあり山には明るい。場所の選定にしてもレパートリーが広がった。一からの自炊ができ、周りの自然が豊かで、登山対象となる山に雪がありあまり困難な登行でないこと。こんなところから廻り目平キャンプ場に金峰山登山に決定。初めて山行を共にするにはどうかなとの思いがあったが、経験者ゆえに大丈夫だろうとの目論見であった。結果的にはベストの選択であったと今では思う。

 朝4時には千葉を出発。途中南砂町を経由し、八王子に向かった。ところが連休真っ只中ゆえ5時前にすでに中央道で渋滞にはまった。どこもかしこも渋滞渋滞。長坂ICでもう昼間近になってしまう。八ヶ岳南麓をまく道はドライブには最高で景色が抜群にいい。赤岳を中心に蓼科まで八ヶ岳全体は大きい。また、そこは白と緑のコントラスが美しい。信濃川上村に入ると大きなスーパーにて買い付けを行った。定番のカレーライスとラーメンがメニューとなり少しの酒を買い足す。キャンプ場に到着すると多くのキャンパーがあふれていて駐車スペースを探すのが大変なくらいの賑わいだ。近くには大岩があちことに散在し、ボルダーが多い。彼らは大きなクッション(まるで布団かつぎのように)背に歩き回っていた。小生も少しボルダリング(命綱なしの岩登り)を試してみるがまるで体が動かない。ボルダリングは頭で考える以上に難しいと感じた。日が陰るととたんに気温が下がる。あちこちでは直火による焚火が方々で見受けられる。こちらも枯れ木を集めてきてスモール焚火と洒落込むがあなどれない。小さな火といえども暖かいし、心落ち着く。何時間でも飽きずに見ていられるのが不思議だ。

 5月4日 今日も朝から天気は良い。6時近くにテントをそのままにほぼ空身で出発する。しばらく石がゴロゴロした林道を行くが、山際からは崩れそうな岩山が迫る。林道が終わるとほどなく山道に入るが日陰は雪が残る。そうこうしている内に道が氷に覆われてきた。そこでアイゼンを装着するが。私を除き軽アイゼンのため斜度が増すと非常に不安定となりおぼつかない。山小屋に着くともう山頂は目の前だ。頂上から富士山、南アルプスの展望が素晴らしい。続々と登山者が上ってくる。早々に引き揚げ五丈岩を横目に来た道を引き返す。途中滑らないように慎重に下りあっという間に降りてきた。数時間前の風景なのだが久しぶりの時の差を感じる。充実した時間を脳が感じたのだろう。ただ少し物足りないのが森林浴をしていないことだ。周辺はカラマツ、シラビソ、コメツガと針葉樹が目立つ。明るい緑がないのだ。あのまぶしいような緑のシャワーがないのが残念だ。

 帰路は隣村の南相木村の温泉につかって帰るが、やはり渋滞だけが気がかりだ。今回二人の経験者を部に迎え明るい兆しが見えた。どれだけ充実した山行ができるか楽しみでもある。